ながいずみわくキャリ

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2020年10月29日お知らせわくキャリセミナー2020 第2回を開催しました

2020年10月20日(火)
「女性のための創業サポート(長泉わくキャリア創出セミナー)」第2回目が開催されました。
参加者は長泉町内にお住まい、またはお勤めの女性8名でした。
今年度はコロナ禍で安全なに開催するため、2回目からオンラインツール「Zoom」を使っての開催となります。


 
第2回目は(公財)さっぽろ青少年女性活動協会札幌市男女共同参画センター(以下、センター)の菅原亜都子さんから、やりたいことを仕事にする!あなたのための起業セミナーというテーマでお話を伺いました。

経済産業省主催の女性起業家支援コンテストにおいて、2年連続最優秀賞を受賞されている菅原さん。
全国に先駆けて女性起業家支援に取り組んでいらっしゃいます。


 
「最近北海道は寒くなり、朝の挨拶で『もう暖房つけた?』と聞き合っています。ついに今日、ウールのコートを出しました。1ヶ月前は暑かったのに、秋を通り越してもう冬になっている、そんな札幌にいながら長泉町の皆さんとお会いできることをとても楽しみにしていました」
 
にこやかな笑顔が素敵な菅原さん。
北海道とオンラインでつながっていることを実感できるようなお話からセミナーが始まりました。
 
コロナによる自粛期間、センターは1ヶ月お休みに。いつ再開できるのかとモヤモヤしていても仕方ないと気持ちを切り替えて、相談業務をオンラインにするなど対策をとり再開したそうです。
「不自由なこともありましたが、コロナでオンラインがあたりまえになったから皆さんとお会いすることができました。コロナだからこそできることにフォーカスを当てれば、起業もさらに前進していくと思います」と菅原さん。
 
「今日の講座は具体的な内容を学ぶ前の、起業の準備運動を学ぶ時間だと思ってください。
リラックスして、どうして起業したいのだろう?誰のどんな思いをサポートしたいのだろう?といったことを考えていきましょう」
 
菅原さんの専門分野は「ジェンダー(女性も男性もどの性の人も自分らしく生きることができる社会を)」。
「DV被害者女性の支援」「性暴力被害への対応」「企業の働き方改革」「女性活躍」など幅広く活動されています。
 
「創業支援は専門分野ではないのですが、大好きな仕事」と菅原さん。
「働いた経験が少ないから私なんかにできない」と言っていた女性が、仲間を作り、情報収集をしながら少しずつ経験を積み、お客さんに喜んでもらえるサービスを作っていき「起業で人生が変わりました!」とステップアップしていくのが喜びだそうです。
このような女性が増えることが、何よりも男女共同参画の実現につながっていくのではないかとおっしゃっていました。
 
菅原さんが携わっている女性起業支援事業の一部をご紹介します。
 
女性のためのコワーキングスペース【リラコワ】
 
2014年、起業を含めた柔軟な働き方を支援することを目的としてセンター内に開設。
託児も週に1度行っている。
 
・コワーキングスペース…打ち合わせ、アクセサリー作り(販売)、ヘアカット など
・作業スペース…パソコンワーク など
・会議室…勉強会、セミナー開催 など
利用者の訪問美容師さんは腕が良く、利用者やセンターの職員の多くがリピーターになっています。


 
北海道女性起業家支援ネットワーク【ほくじょき.net】
 
道内には各地の女性起業家や地域のキーパーソンが地元の女性の起業を支援するネットワーク「じもじょきネット」が6つあり、その集合体を「ほくじょき」という。コロナ禍では今の出会いを大切にしたいという思いから、6つの「じもじょき」と連携してオンラインセミナーを開催している。
 
地方に行けば行くほど今も残る、家父長的な意識。女性の起業に対して家族の理解を得られない、相談できる仲間がいないという声があるそうです。実は地方にはいろいろなビジネスの種が埋まっています。地方の女性の「やりたい」を取りこぼさないためのネットワークだそうです。


 
きょうの目標
Goal1 「起業に向けた心の準備をする!」
Goal2 「自分のやりたいこと、実現したいことを言葉にする!」
Goal3 「次に起こすアクションを具体的にイメージする!」



 
チャットに入力した今日の起床時間の早い方からひとりずつ、今の気持ちとセミナー終了時にどんな気持ちでいたいか発表しました。
 
1.今の気持ちは?
・初めてのオンラインにドキドキしています。
・なんとなくZoomができればいいと思います。
・ワクワクドキドキしています。
・新しいことを知りたいです。
・どんなことが学べるのか楽しみです。
・初めてで慣れていません。どうしたらいいか分からずドキドキしています。この場に慣れたいです。
・初めてなので、もうすでにZoomに疲れました。
・こういった機会がないので貴重です。ワクワクドキドキしています。
 
2.きょうの終了時に、どんな気持ちでいたい?
・今後を前向きに考えるようになっていたいです。
・Zoomを使えるようになればいいと思います。
・皆さんとつながれて、意欲が増したらいいと思います。
・やってみたいことが具体的にイメージできればいいです。知ったことに対してまたワクワクしたいです。
・参加してよかったなと思えるようにしたいです。
・前向きにいろいろなことを考えることができるようになっていたいです。
・今まで考えたことを0にして、新しい気づきをもらえたらいいと思います。
・こんな機会は当たり前ではないので、皆さんに感謝できるような充実した時間になるようにしていきたいです。
 
Goal1「起業に向けた心の準備をする!」
 
「なぜ、起業したいのか?」を意識しておく
 
起業は、ひとりではできません。
いろいろなアドバイスを受ける中で、しっくりとこないアドバイスもあります。
専門家はいつも正しいことを言いますが、自分の起業理由と合っているとは限りません。
 
(実際に起きた事例)
以前「働く人に元気になってもらいたいのでオーガニック弁当のデリバリー事業をしたい」と意気込む学生の支援をしました。創業支援の専門家からは「その理由では難しいから『学生が作るお弁当』としてPRしていくほうがいい」とアドバイスを受けましたが、起業を考えたきっかけは母の病気。本格的なお弁当で母のような人を応援したいという彼女の思いにはマッチしませんでした。
 
自分の起業理由に合わないアドバイスは、切り捨ててOKです。
起業したいという思いとビジネスとして成功したいという思いの両方を実現させるためには、自分の起業理由を振り返って徹底的に深堀りしてください。
 
〈ペア・ワーク〉
2人1組となり、5分間相手の話を聞きます。
「あなたはなぜ起業したいのですか?」と聞き、その答えに対して「なぜそう思うのですか?」と続けて5回「なぜ」を繰り返します。
 
▶ワークの感想(一部)
・セミナーに参加した理由を答えました。自分の原点を見直すことができました。
インタビューすることによって、私ってこんなこと考えていたのかという気づきがあり、相手の方の考えに共感する部分がありました。新しい考え方を教えてもらって刺激になりました。
 
今後オンラインで知り合う機会がますます増えると思います。このようなペア・ワークは臨場感が高まるので良いと思います。
ちなみに全員を共同ホストにすると、講座の終了後に話したい相手とグループをつくり他愛のない会話で楽しむことができますよ。
 
◎起業に際して「受援力」を上げる
「受援力」とは、自分の力で助けを求めること。福祉の現場で使われる言葉です。
支援を受けることへの心のハードルを下げるのが大切です。
これを「受援力を上げる」といいます。


 
Point1 最初は浅く、いろいろな相談機関・窓口に何度も足を運びましょう
最初に相談に行った金融機関で、いろいろな指摘を受けて嫌になったという方がいらっしゃいます。
諦めるのはもったいない。1ヶ所に深く相談するのではなく、気軽にいろいろな相談機関・窓口に何度も行くことをお勧めします。自分に合った相談機関・窓口を見つけてください。
 
Point2 複数の多様な支援を受けましょう
健全な自立とは、複数の依存先を見つけること」という福祉の言葉があります。
「こういうときはあの人に聞きに行こう」というように、自分にとってプラスになるアドバイスをくれる多くの支援者と出会いましょう。
個人起業コンサルのカリスマのような人がいますが、1つの支援に依存するのは危険です。
事業を皆さんに広げたいのなら、公的な窓口も含めていろいろな人の多様な意見を聞いたほうがいいです。

Point3 ドリームキラーやマウンティングする人とは距離を置いてOK
「子育て中だから起業なんてまだ早いでしょ?」「そんなの諦めたほうがいいよ」などと夢を全否定するような人とは距離を置いていいと思います。
 
Point4 支援機関・制度は探さない。自分でいろいろな場で発言をしましょう
「全ての支援を一覧で見ることができるポータルサイトはありますか?」とよく聞かれますが、そのようなサイトは見ないほうがいいです。いろいろな場に足を運んでやりたいことを発言するほうが、次につながりやすいです。SNSも同じです。自分のやりたいこと困っていることを投稿すると、必要な情報がタイムラインに流れてくるようになります。
自分のことを日々周りに伝えておくと、いつかタイミング良く情報が届き、チャンスが巡ってきますよ。
 
Point5 家族に言うのは最後でもOK!
家族に起業のことを伝える時期ですが、いろいろな支援を受けて自分の説得力と覚悟がレベルアップしたときが良いです。
可能性の芽を早いうちに摘まないでください。いろいろな経験談を聞いていく中で、家族にスムーズに伝えるためのヒントを得ることができるかもしれません。
 
Point6 自分を大切にする=自分自身は一番の支援者
起業には覚悟が必要といいますが、自分を大切にしないと続かなくなります。
いろいろな女性支援者を頼ってください。セミナーで出会った仲間、女性支援に理解のある人たちなど、支援者をどれだけ手に入れることができるかがポイントになります。
 
◎技術的課題と適応課題
 
技術的課題
起業準備の中でお金の計算方法やマーケティングなど、既に解決策が分かっており、確立しているルールがあるもの。
専門家や公的機関に頼るべき問題。
 
適応課題
ビジネスパートナーやお客さんと一緒に解決していく問題。
「5~10年後どうしたらいい?」などの答えのない問題は自分で考えます。自分にしかできないことにお金と時間を費やしてください。
 
(参考)
アインシュタインの言葉
私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう
 
この言葉は技術的課題と適応課題の関係性を表していると思います。大切なのは「どの問題を解決するのか?」ということ。
本当にするべきことに気づけたら、問題解決のために専門家のアドバイスを受けながら事業計画を考えます。
 
◎近いところから始めて、広い視点から振り返るくせをつける
振り返るときは大きな目線で。「私、こんなことができた!」といったように、やってきたことをポジティブに捉えます。これは起業する際に癖にすると良いです。
また、ポジティブな協力者や支援者と関わると良い影響があります。環境を整えて心の準備をしていきましょう。
 
あなたはどっち?「山登り型と川下り型」

1.山登り型 
頂上(大きな目標)を決めてから、それを目指して登っていく(準備していく)タイプ。
 
2.川下り型 
目の前のお客さんに喜んでいただきたい(小さな目標)というところから日に日に成長していくタイプ。女性は、このタイプが多いようです。
 
3.山登り型と川下り型のミックス
東京の共働き世代に学生をインターンとして送り込む活動をしている「スリール」の社長は、自らの行動を「軸をもって流される」と表現しています。両型のミックスで、柔軟性がある考え方です。
ビズホープの寺田さんは、起業後3年は山登り型で3年越えたら川下り型だそうですね。
年を重ねることで、心情も社会情勢も変化します。起業のフェーズによってもタイプが変わってきます。
コロナ禍を経て、世の中の流れに合わせて柔軟に目標を変えていくことが必要だと感じています。
 
Goal2「自分のやりたいこと、実現したいことを言葉にする!想いをカタチにする」
 
◎あなたのサービス・商品によって、お客さんが体験する感動シーンを考える
困りごとのある人があなたのサービスや商品を購入したら、問題解決してハッピーになるということ。
それが商品やサービスを届けるということです。


 
▶ニーズとは「快適を増やすことor不快を減らすこと」
あなたのサービスや商品は、お客さんのどのようなニーズに応えますか?
快適を増やす(より健康でいられる、若さを保つなど)」、または「不快を減らす(病気を治すなど)」などイメージしてニーズを満たすことができるようなら、次に感動シーンを想像してみてください。
 
▶ターゲットを決める「あなたのお客さんはどんな人?」
ターゲットが重要になります。年齢、性別、職業と全部の項目を埋めます。
「30代」ではなく、「30歳」などとピンポイントで決めます。ここまで考えると、ブレることがありません。
より具体的に、細かくターゲットを絞ってみましょう。
 
(参考事例)
私たちも女性起業家セミナーなどご協力いただいている會田希和子さんが社長をされている札幌の「日曜日のクッキー。」という今大人気のお店があります。とっても「エモいクッキー」を販売しているんです。商品名がかわいくて思わず買いたくなりますよね。コピーライターさんと一緒に考えているそうなのですが、名付けのコンセプトは「スピッツの曲の歌詞になりそうな名前」と具体的です。
會田さんは起業前、ターゲットに似た人(20代のとある女優をイメージ)を見かけると、その人の後をついて行き、どのようなものを買うのか、どういったお店が好みなのかなど徹底的にリサーチされたそうです。
 
◎自分の言葉で書く
金融機関の事業計画書に、経営理念・ビジョンなどを書く欄があります。
既存の文章を書くとありていなものになってしまうので、目の前にあるやりたいことを自分の言葉で書きましょう。
 
(参加者の事例)ー具体的にやりたいことが決まっている参加者Aさんのプランー
託児室経営と、妊婦さん向けの健康食に関するサービス。お母さんやその家族が元気になることがゴール。
 
対象:妊婦/年齢:31歳/世帯:共働き/世帯年収:800万/自然派でアウトドアを好む/ローカル新聞を購読している/Facebookの更新はしないが他人のページは見る/手作りが好きでこだわり派(サービスを利用してほしい友人をイメージ)
 
▶複数のターゲットがいたら、やはり誰か1人に絞るべき?
テストマーケティングでは複数の可能性を考えてもいいと思いますが、実際に商品を提供する段階になったら1つに絞ったほうがいいと思います。大企業で金銭的にも余裕があり、いろいろ試すことができれば複数ターゲットもできますが、複数だとブレやすい。コンセプトがあやふやになってしまいます。
講師業でイベントやセミナーをやるときも、ターゲットを絞ったほうがいいです。「女性のための」より「私のための講座?」と思わせるような題名をつけましょう。
 
Goal3「次に起こすアクションを具体的にイメージする!」
 
皆さんのイメージしている感動シーンは、今すぐには実現しません。
何かが足りないからです。足りないことをギャップといいます。このギャップを埋めるために足りないもの(お金やスキル)を挙げていき、何をしていくか。これが事業計画になります。
 
できそうなことを4つ書いてみましょう。これがみなさんのアクションプランになるので、今日から始めてほしいです。
 
◎大切なのはSMART!
Specific(具体的)・Measurable(評価可能)・Achievable(心から叶えたい)・Result-based(現実的)・Time-bound(締め切りがある)」
 
「情報収集する」は具体的ではありません。
「1日に何回●●をみる。新聞を毎日必ず読む」などとある程度数値化する必要があります。振り返った時に評価できるかどうかが重要。心から叶えたいことは、本当にやりたいことです。できないと悔しい。明日からでもいいかと思うことは、本当にやりたいことではありません。
目標は現実的で自分ができる範囲のものを設定してください。締め切りをきちんとつくりましょう。
SMARTを意識して、1つでも具体的なアクションプランを作ってみてください。
 
【振り返り】

❶まず、「あなたはなぜ起業したいのですか」を大切にしましょう。
迷ったりブレたりしたら立ち返るために手帳などにメモをしておきましょう。
 
❷あなたの顧客に起こるであろう感動シーンを具体的にイメージしましょう。
 
❸感動シーンを実現させるために、今からすべきアクションを最低1つ宣言しましょう。

 
「少しでも今日の話がみなさんの後押しになったり、役立てる情報となればと思います。
皆さんのなりたい姿、やりたい起業を心から応援していますので、頑張ってください!」


 
●講義中にZoomのチャットで受講者の皆さんから様々なコメントをいただきました。
・「どんな人を助けたいか」素敵ですね。
・「受援力を上げる」初めて聞きました!
「自立」「依存」反対だと思っていました!目からうろこ!
・一歩進めました。ありがとうございました。
・楽しかったです。ためになりました。
 
●受講者の皆さんからのコメントや感想をご紹介します。
聴くだけではなく、二人組になってお互いのやりたいことを共有もできたし、やりたいことは、まずは言葉にして発信することが大事だということがわかったのでまずはそこからやってみたいと思いました。
・具体的な道筋があり、こういうことを考えればいいのだなということが分かりました。ワクワクして考えを整理して行動に移したいと思います。
・先生、講師の方、サポートが素晴らしいと思いました。あとは、人と参加することで刺激を頂きました。
・1つの考え方として聞きました。
・Zoomも体験できましたし、貴重な先生のお話もリアルで聞けて良かったです。
・具体的なイメージがわきました。
・悩んでいたのですが、商工会の方々がいろいろと指導していただけて助かりました。商工会がこのような相談窓口だと知らなかったので参加できて助かりました。
・もし可能であれば今回参加した方と実際に集まることができ、つながれる場があると嬉しいと思いました。
・去年から参加して、やりたいことが形になりつつありました。商工会や知り合いなど複数に相談していましたが、複数に相談することは良いことであるという話が聞けて、自信になりました。
 
●最後に、参加者の皆さんからの質問に答えていただきました。

Q.ものの考え方は習慣づけていかなければならないと思います。先生は、論理的な思考がすごいと思いました。おすすめの本や勉強方法を教えてください。
A.ものをロジカルに考えるために、ロジカルシンキングの本やネットをみました。
私は相談が苦手で、仕組みを作るほうが得意。今から自分の弱いところを一生懸命勉強する必要はありません。
自分の苦手が得意な人と組めばいい。学生なら勉強で伸びる可能性はありますが、今からならやる必要はない
です。
走っていくと、いろいろな出会いがあります。
自分の不得手を埋めてくれる誰かと出会うことは、自分へのご褒美です。
 
Q.事業計画をイメージして、ギャップを埋めることを考えました。アクションがうまくいかなくてつまずいたときは、違うアクションを1から考え直していくのでしょうか?
A.違うアクションを考えていく、軌道修正はありだと思います。
ゴール自体を変えるのか、ゴールを変えないで手段を変えていくのか。自分の変えられないところはどこなのか、そこにいくための手段にこだわりはないのか、そこを整理して次のアクションを考えると良いと思います。

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