ながいずみわくキャリ

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2020年11月30日お知らせわくキャリセミナー2020 第3回を開催しました

2020年11月17日(火)、長泉わくキャリセミナー第3回をオンラインで開催しました。
 
今回のテーマは、
「起業・副業する前に知っておきたいお金の話」です。


 
講師は、さくら税理士法人所属税理士 コトリスラボ創業アドバイザーの高林ゆかさん
チャレンジするのに必要な基本的なお金の知識や付き合い方についてお話をしてくださいました。
 
講座の後半では、2018年3月に起業したグラフィック・WEBデザイナー、広告・ディレクション・動画制作クリエイターの
栗田舞子さん
が、ゲストとして開業から現在に至るまでの体験談を語ってくださいました。
 
参加者は起業・副業している方、興味のある方など、計10名。
講義を聴くだけでなく、チャットを使いながらの質問、数人ずつでのブレイクアウトルームでのおしゃべりなども楽しみました。
 
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講義を始める前に参加者さん同士の交流タイム。
高林さんと栗田さんも参加し、数人のグループにわかれて自己紹介と最近のおすすめグルメをテーマにおしゃべりを
楽しみました。
 
【グループトーク:おすすめグルメ】(一部)
・地元(出身地)でおいしいもの
~浜松市「治一郎のバームクーヘン」・広島県「かき醤油」・京都府「西京漬け銀ダラ」
・函南町「チコスパイス」のスパイスカレー。週替わりのバリエーション豊富なカレー。
・長泉町「カフェドフルール」のハンバーガー、裾野市「スマイルベーカリービー」のパン
・裾野市キャンプ場「大野路」御殿場のウィンナーのホットドック
・高林ゆかさんおすすめ
~修善寺駅弁 武士のあじ寿司
 
高林ゆかさん プロフィール
「愛知県岡崎市に生まれ、結婚後、静岡県の浜松市で11年ほど暮らしていました。夫の転勤を機に7年前に函南町に家族4人で引っ越してきましたが、周りに親戚も知人もいない中でご縁があり、コトリスラボに巡り合い、創業前、創業間もない方の支援をさせていただくうちに、寺田さんから『創業アドバイザー』という肩書をもらい皆様のサポートをさせていただいています」
 
長男を妊娠中に税理士に登録したという高林さん。
「登録後、産休や第2子の出産など間に2年ほどお休みをいただきましたが、現在税理士として18年目になります」
 
◆お金のはなし
「人として生きていくには『お金』が必要です。生活をより向上させるために仕事をしてお金を得ています。起業前、起業後の女性たちがよく言うのは『損はしたくない』ということ。趣味であれば、自分を高めるために投資して、スキルが向上すればそれ以上求めるものはありませんが、趣味が高じての仕事であれば、投資した分以上のリターンがないと仕事として続けていくことができません
 


「女性起業家の多くは、自己資金や家族からの借金をもとにスモールスタートから始めます。その際に気を付けるのが、
お金はどこから出てきたのかはっきりさせておくことです
 
ポイント1 事業用の口座を作る
 
◎まずは、仕事(趣味)と生活とのお金を分けること
 
・自分のお金を元手にスタートする場合、仕事用の屋号付きの通帳を作り、個人用の通帳からお金を引越す
…通帳を通すことで記録と初期投資の額が残ります。
 
・何に使ったお金かわからなくならないよう、その場で通帳に『事業の口座へ引っ越し』などとメモをしておく
 
「その場で覚えていても、後で思い出すのには時間と労力が必要なので、その労力を少なくするためにもメモをとりましょう」
 
ポイント2 【借り入れ】どこから誰から借りたのかをはっきりさせておく
 
◎他の人から応援してもらう場合、借りるという意思表示をきちんと残しておく
 
・『●●のために必要なので○○円借ります。いついつまでに返します』などと記録する
…簡単な書類を作りましょう。きちんとする場合は『金銭消費貸借』という契約書類を残しておきましょう。
 
「借りたら返すのが鉄則ですが、必ず成功することばかりではないのが仕事。そんなときのために『損しても良い金額』を
あらかじめ自分で決めておくことも大事です

 
 
ポイント3 現金を管理する
 
◎生活用と仕事用、別々の財布を使って管理する
 
・生活用と仕事用のものを一緒に買ってしまった場合は、レシートに仕事用の分だけマーカーしてわかるようにしておく
・レシートがもらえない場合は、メモに日づけと場所、何をいくらでと書き残しておく。
 
「お客さん用に自販機で急いでお茶を買ってしまったときなどもメモで残しておけば大丈夫です。
『記録がないために経費にできない』ということがないようにしましょう
 
<ここまでのまとめ>
 
「個人で仕事を始める場合、現金での取引が一番多くなります。現金の動きは自分自身以外ではわからないので、
きちんと記録を残していくことが大事です。他の人が見てもわかる記録を残しましょう
 
・自分だけ分かっていても証拠にならない
・現金の動きは記録を取らないと、他の人に分かってもらえない
・家計簿程度でも、記録や領収書・請求書を残す
 
<受講者からの質問>
 
Q:事業用口座は開業届がないと作れませんか?
A:銀行によります。最近は架空の口座を作ってオレオレ詐欺に使われるケースがあるので、口座をつくるのが難しくなって
     います。屋号つきの口座が作れるかどうか、銀行に相談してみてください」
 
◎個人事業の場合、本人への給与は経費になりません
 
チェックポイント
・儲かったお金の中から自分の人件費が出せるか?働いた分のお給料が自分でもらえるか?
・自分が仕事をした分が自分に返ってくる仕組みづくりがきちんとできているか?
・収入から経費を引いて、頑張って働いた分が戻ってきているか?
 
お金の管理は、自分の仕事を見つめ直す作業です。自分の記録を集計したものを見れば、儲かっているのかいないのかを
  把握できます。最初から完璧に取り組むのは難しいですが、経験者に聞くなどして自分に合ったやり方で一歩一歩
  ステップアップしていきましょう」
 
◆手続きのはなし
 
「まず確認したいのが、自分がどの程度仕事をして、どの程度収入を得られるかということ。
自分の置かれている環境を確認しましょう」
 
(1)専業主婦の場合
 
「家族手当などをもらっているため、ご主人の扶養を外れたくないという方が多いと思います。
扶養の範囲にもいろいろあります」
 
❶103万円の「税金の」壁
所得税が課税される。夫の会社の家族手当がなくなる場合がある。
夫は配偶者控除がなくなり、収入に応じた段階的な控除「配偶者特別控除」になる。
 
❷130万円の「社会保険の」壁
自分で国民健康保険、国民年金を納める。
配偶者特別控除も201万円でなくなる。税金が増え、手取り給与が減少する。
 
※注意※
市町村によっては100万円を超えると住民税がかかってくる場合があるので、市町村のホームぺージなどで確認が必要。
 
細かく知りたい方はこちらをご確認ください。
国税庁ホームページ「配偶者特別控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm
 
「税金って負担ばかりで大変と思われるかもしれませんが、私たち皆が使うものを皆で負担し合うのが税金です。
それでもなるべく家計に負担が少ない形で納税できたらいいですね」
 
(2)働いている方の場合
 
・副業について
 
「副業禁止の会社の方が多いです。このようなご時世のため、中には副業OKの会社もありますし、業務に支障のない範囲で
認めている会社もあります。会社に確認しましょう」
 
「マイナンバーで会社に副業を知られてしまう場合があります。一生懸命やっているのにペナルティを受けるのは
モチベーションの低下につながりますので、事前に副業OKかどうか確認したほうがよいです。周りの理解も必要になるため、
本業をがんばりつつ、自分の夢ややってみたいことを会社の方に伝えて理解してもらえるようにしていくとよいと思います
 

◆申告のはなし
 
「いざ開業しようと思ったとき、『青色申告』『白色申告』どちらにしようかと悩むと思います」
 


①青色申告
初年度黒字が難しい人におすすめ
・65万円まで控除できる ※今年からは電子申告等の要件が必要
・赤字を3年間繰り越し可能
 
②白色申告
開業届がなくても申告可能。趣味が高じてちょっと販売…といったような方におすすめ
・簡単な帳簿でOK
・65万円の控除・赤字の繰り越しはなく、1年ごとに税金を計算
 
◎確定申告がスマホでできるような時代になりましたが、データを保存しておくことが大事
 
「給付金等の請求にも申告の書類が必要となります。申告書類や届出書類、確定申告の書類はきちんと自分の手元に
保管していただくのが基本です。数字の話は苦手な方も多いかもしれませんが、商工会さんや青色申告会さん、
税理士など数字のプロフェッショナルに相談してみるといいと思います

 
最後に高林さんからメッセージをいただきました。
 
『何のためにこの仕事を選んだのか』という、その最初の気持ちを忘れなければ、どんな困難にも立ち向かえると思います。
仕事というのは、受けた以上完成しなければできたことになりません。そこに対して責任を取れるかが重要です」
 
「夢をかなえられる人は、自己満足にならない人です。そして、まわりに迷惑をかけないように、常に考えて行動できる人だと
思います。情熱を忘れずに、自分の可能性を信じてチャレンジしていくことが夢の実現につながります。
経理にも興味を持ってお金を管理すること、そして自分を見つめ直すことによって、きちんとお仕事を進めていって
もらえたらと思います

 
<受講者からの質問>
 
Q:個人事業主の定義とは?
A:個人(自分)で事業していれば「個人事業主」です。
明確な定義は判断が難しいのですが、主に仕事として「これを販売したい」となったときにお店の名前を付けて販売したい、
とか、他の方から仕事としてやっているとみられるようになったら、個人事業主として申告が必要だと判断してください。
本業がある人は収入から経費を引いた残りが20万円以下の人は届けなくてもいい(税金が不要)と言われていますが、
住民税については違うので注意が必要です。確定申告すると自動的に住民税の計算をしてくれるので、
確定申告をしたほうが間違いないと思います。
 
本来であれば開業届と同時に青色申告を出して、という順が望ましいですが、趣味が高じて…という方も多いと思います。
取引先との関係や届出をしていないとマルシェに出られないなどの理由から開業届に至ってというケースもあります。
 
ここで商工会議所の芹澤さんに申告についてお聞きしました。
 
「商工会としては青色申告をすすめています。会計が不安な方は会計指導もしています。小規模なら体験として
自分でやっていくように助言しています」
 
【講義前半の感想・コメント】

・本業がありますが、副業をしたいと思っています。
・日々記録をつけていかなければと思いました。メルカリなどは領収書もなく、Amazonなどもその場で出しておかないと
 忘れてしまいます。
 →人間は忘れる生き物です。その場で記録を取るのを習慣付けましょう!
・ハンドメイドなどで売って得たお金から経費を引いたお金が20万円いかなければ申告が不要ということがわかりました。
 →申告は不要ですが、証拠書類はきちんととっておきましょう
 
◆対談
 
会社員から起業して3年の体験を、フリーのクリエイターとして活躍する栗田さんから聞きました。


 
Q:どんなお仕事をしていますか?
A:2017年末まで会社員をしていて、2018年の初めに開業しています。ホームページ制作やYouTube動画の制作、
  デザイン制作、SNS配信ディレクションなど、デザイン系全般のお仕事をしています。
 
Q:会社員をやめてから起業に至るまでの道のりはどうでしたか?
A:退職後すぐに起業しようとしたわけではありません。ハローワークに通いながら、起業か再就職かを悩んでいました。
  最終的に開業することを決めて、税務署に行き必要なことを教えてもらい手続きを進めました
 
Q:開業時はどのようなものが必要でしたか?
A:身分証明書、マイナンバーカード、印鑑です。
 
Q:開業後に必要になったものは?
A:パソコン、プリンタ、名刺、印鑑、メールアドレス、個人事業主用口座、見積・請求書用ソフト、クレジットカードなど。
   その他パソコンデスク、パソコン用椅子、ホームページ、実印・印鑑証明、封筒・切手・プリンタ用紙・書類送付用ハンコ
     など事務用品です。職種によって変わるかと思いますのでご参考にしてください。
 
Q:見積・請求書用ソフトは何を使っていますか?
A:見積・請求書用ソフトは記録も残るのであると便利です。請求書は「Misoca(ミソカ)」確定申告は「freee(フリー)」
     を使っています。ソフトによって特徴があるので、お試し期間で使ってみてから決めたほうがいいです。
     あと、経費はクレジットカードで支払いするようにしました。クレジットは記録も残ります。お客様からも振り込みで
     お願いしているので、現金はあまり使っていません。
 
Q:起業すると価格決めが大事だと思います。価格表はつくりましたか?
A:相場を調べて価格表をつくりました。最低限の損はしない程度にしています。
      私のサービスは目に見えにくいので、自分が何の仕事を売っているのか、わかるようにしています。
      商工会などに相談に行くにしても価格表・リーフレットなどがあるとわかりやすいですし、名刺代わりにもなります。
 
Q:起業して困ったことはありますか?
A:夫の扶養に入れなかったことです。会社の保険組合のルールで、個人事業主の場合は1年目の確定申告をしないといけない
     などのルールがありました。また、1年目は会社員時代の給与分の税金を払ったのでしんどかったです。2年目からは
     おかげさまで仕事が増えてきたので、扶養の範囲でちまちま働くよりも稼げるように頑張ろうと思いました。
 
Q:開業資金はどうしましたか?
A:自己資金です。私の場合は店を構えたり人を雇ったりする必要がないので、PCやモニターなどの購入費40万円くらいを
     会社員のときの貯金でまかないました。人によっては夫など家族に投資してもらうケースもあるようです。
 
Q:個人事業主になってから、お金に関して実感したことは?
A:毎月安定したお給料が入ってくるわけではないので、開業1年目は貯めたお金で生活していけるくらいの余裕が必要です。
     家賃・光熱費などの諸費用から税金の支払いでお金かかるなと思います。
 
Q:お金の管理グラフを見せてください
A:起業前になかったのが「経費」という項目がです。また、自宅で仕事をしているので、物によって按分割合を決めています。        例えば、車は仕事でも生活でも使うので、仕事用に〇割と言う形で。決めるときに商工会に相談しました。
 


Q:起業してから必要になったものはありますか?
A:仕事用の服、ヘアカットや洋服代にお金がかかるようになりました。(これは経費になりません)
ランチミーティングなどは「交際費」として認められるので、誰と何の打ち合わせのためだったのかを記録しています。
 
最後に、栗田さんからメッセージをいただきました。
 
起業して大変なことや面倒なことも多いですが、携わった仕事が羽ばたいていったときや、仕事をしたときのお客さまからの
 声がすごくうれしいです。
これはフリーになったからこそ感じられるものだと思います。ですので、結果的に私は起業して
 よかったと思っています。みなさんも条件が揃うようなら、ぜひ起業していただきたいなと思います」
 
<受講者の皆さんからの質問>
 
Q:確定申告と会計ソフトは別ですか?
A:会計ソフトで確定申告ができます。
 
Q:買い物でたまったポイントで支払った場合は経費にできますか?
A:ポイントは値引きになるので、経費にできません。現金が動いている分のみが経費になります。
     経費はポイントで買わないほうがよいです。
 
Q:ボランティア活動にかかった経費は計上できますか?
A:本業との関わり具合によります。いつもはお金をもらっていることでしたら、「広告宣伝費」として経費にしてもよいかと
      思います。
 


<受講者の皆さんからの感想>
 
・青色申告をこれから始めてやっていくので、商工会さんに相談したいと思います。会計ソフトなど難しいことだらけで
   不安ですが、試しながらやってみようと思います。勉強になりました。
・もし起業が実現するようなことがあればチャレンジしていきたいです。
・難しいと感じたこともあったのですが、お金の管理は自分の管理につながることが響きました。体験談が聞けて良かったです。
   ありがとうございます。
・自分に当てはめて考えられました。相談できる場所があることがわかっただけでも良かったです。
・これからのことを商工会の方と話をして、夢を形にしたいと思います。
・栗田さんのお話がイメージがつきやすくてよかったです。このような場があり、気軽に聞ける商工会議所さんに感謝です。
・女性の立場でのお金の話、なかなか聞ける機会がなかったので、良かったです(扶養や控除、税金の話など)
・事業を始めるにあたり、知っておくべき情報ばかりで勉強になりました。初めてのオンラインでしたが、こうして皆様と
   お会いできたことがとてもよかったです。